子宮体がんと体がん検診
子宮頸がん検診を受けて異常のなかったフジ子さんですが、子宮体がんは高齢者に多いと聞いて不安になったようです。
- 子宮の入り口にできるがんを子宮頸がん、奥の体部にできるがんを子宮体がんといいます。体がんの好発年齢は50〜60歳で、子宮頸がんに比べ高年齢の傾向にあります。

子宮体がんの発生には、女性ホルモン、特にエストロゲンが深く関わっているといわれています。きちんと排卵している人は、エストロゲンとプロゲステロンがバランスよく分泌されていて、このホルモンの働きで子宮内膜が剥離(月経)と再生を繰り返します。しかし排卵のない人や閉経後の人は、プロゲステロンの分泌がないので、このバランスが崩れてエストロゲンだけが過剰に働き、その結果、子宮内膜は増殖を続けます。この状態が、がんの発生と密接な関係にあると考えられているのです。

- もっと多くみられる症状は不正出血です。月経以外の出血、とくに閉経後の出血は注意が必要です。おりものに混じるくらいの少量の出血でも軽視しないで受診したほうがいいでしょう。なお、ホルモンのバランスが崩れても月経とは別の出血が起こる場合がありますが、残念ながらがんなどによる出血と区別することはできません。
■最近6ヶ月以内の不正性器出血がある。
+(下記のいずれか)
■年齢50歳以上 ■閉経以降 ■未妊婦であって月経不規則
これらにあなたは当てはまりますか?いつもと違う!と感じたら、検査を受けましょう。
- 子宮体がんの検査も子宮頸がんの検査と同様、細胞を採取して異常な細胞があるかどうかを検査します(細胞診)。そして異常が見つかった場合は組織を採取し、精密検査を行います。また、必要によっては超音波で子宮内膜の厚さを観察して診断の助けにする場合もあります。
- グラフは私達が検査した成績で、子宮体がんの発見率を表しています。
自費検診では200人に1人、公費検診では、1000人に1人の体がんが見つかっている状況です。これは全国的にも同様の成績で、各年度で成績の差はありますが、全体的に発見率は増えていると考えられます。

- 子宮がんのなかで体がんが占める割合は、以前は5〜10%といわれていました。しかし、最近では30%を超えるとの報告が多くみられます。
グラフは、体がん検診がスタートした1987年(昭和62年)からの私たちの検査した成績です。やはり最近では体がんが子宮がんのなかの40%近くを占めています。
この背景としては、食生活が肉食中心の高脂肪・高蛋白の欧米型になってきていることがあげられています。発がんに関係しているといわれているホルモンのエストロゲンが脂肪のなかに溶けて存在し、脂肪細胞がエストロゲンの貯蔵・分泌をするためといわれています。また、最近の少子化により、女性のからだがエストロゲンの影響下にある時間(妊娠していない時間)が長いことも関係していると考えられています。

- 体がんの予後(治癒の見込み)は、ほかのがんに比べて良好とされ、頸がん同様、早期に見つければ100%の治癒が期待できます。また、妊娠も可能となる治療法の選択も可能です。
このことからも、不正出血やおりものなど「いつもと違う」と感じたら、婦人科を受診しましょう。日頃の健康チェックは早期発見のポイントといえますね。
