若い女性と子宮頸がん
子宮頸がん検診を受診したハナ子さんは、若い女性に子宮頸がんが増えているという話を聞いて少し不安になりました。若い女性の子宮頸がんについては、どうなっているのでしょうか?
- 子宮頸がんは、子宮の入り口(子宮頸部)にできるがんです。子宮頸部は、性行為や出産などで刺激を受けやすい場所です。刺激により正常の細胞はダメージを受け、その結果、一部の人では頸部の細胞が異常な変化を起こして異形成(前がん病変)という病変になります。さらにそのなかの一部は、上皮内がん(早期がん)→進行がんへと進むことがわかっています(図)。若い女性でも、子宮頸部の細胞がダメージを受ければ子宮頸がんにかかる可能性があります。

- 細胞にダメージをあたえ、子宮頸がんと関連の深い因子とされているのは、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスです。HPVは性交によって感染し、セックスパートナーの多い女性や、性行動の盛んな男性をパートナーにもつ女性は感染の危険度が高いとされています。その他にも子宮頸がんになりやすいとされる因子があり、それらとともにHPVに感染している場合は、頸がんの発症率が高くなるといわれています。
子宮頸がんになりやすい因子としては、
(1)初交年齢が若い女性
(2)セックスパートナーの多い女性
(3)多産の女性
(4)喫煙者
(5)ビタミンA、Cの少ない食事
(6)経口避妊薬(ピル)服用者
(7)免疫系の低下している女性
などがあります。
- グラフは、30歳未満を対象にした私たちの検診成績を表しています。前がん病変といわれる「異形成」は約1.4%で年々増加がみられます。がんの発見率は、早期がんで約0.1%、進行がんでも約0.02%と2000年以降減少傾向を示しています。この結果から早期発見を目的とする検診の成果がうかがえます。
近年、若い人の性意識が変化し、性感染症のひとつであるHPV感染が広がってきているため、若い年齢層で異形成が増加していると考えられます。今後、検診未受診の方が増えると子宮頸がんは増えていくと予想されます。

- 子宮がん検診は、子宮頸部に異常な細胞があるかどうかを調べるものです。市区町村が公費で行っている子宮がん検診は、地区により対象としている年齢が異っているのが現状ですが、「がん検診の指針」の改正により20代の方も検診を受けられる機会が多くなると予想されます。また最近では、妊婦検診のなかで子宮頸がん検診を受ける方も増えています。異形成や早期の子宮頸がんは、ほとんど症状のない人が多いため子宮がん検診により発見がされることが多く、早期にがんを発見できれば、ほぼ100%の治癒が期待でき、妊娠や出産にはほとんど影響がないとされています。
若い女性の場合、婦人科を受診することには抵抗があるかもしれませんが、すすんで受診されることをお勧めします。
