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子宮がん検診はどんなもの?

25歳のハナ子さんのもとに、ある日、1通の案内書が届きました。
あけてみると、それは子宮がん検診のお知らせ。

ハナ子 「子宮がん検診なんて、まだ早いんじゃない。それに、症状があるわけじゃないし…」 フジ子さん、ハナ子さん
フジ子 「最近は若い人の子宮がんが増えているって、いつか新聞で読んだことがあるわ。あなたも一度検診を受けてみたら?」
ハナ子 「う〜ん……、でも子宮がん検診ってどういうことをするのかな?」
フジ子 「そうね。私が説明するよりは、受けてみたほうがいいんじゃないかしら。私にも案内書が届いたし、一緒に受けない?」

それでは、ここからハナ子さん・フジ子さん母娘の疑問に答えていきましょう。

  • 子宮がんとは?
  • 子宮は図1のように西洋梨を逆さにしたような形をしており、上部のふくらんだ部分を体部、下の部分を頸部と呼んでいます。体部にできるがんを「体がん」、頸部にできるがんを「頸がん」といい、現在、わが国では、子宮がん全体の約3割が「体がん」、残りの約7割が「頸がん」です。

図1.子宮

  • 子宮がん検診を受けるにはどんな方法がありますか?
  • 子宮がん検診を受診するには、2種類の方法があります。1つは、自ら医療機関を受診する方法(自費検診)、もう1つは、各市区町村が公費で行っている集団検診(公費検診)です。集団検診は主に「頸がん」をターゲットとしています。
    2004年4月に厚生労働省の「がん検診の指針」の改正があり、頸がん検診は20歳以上・隔年受診、体がん検診は問診により医師が必要と認めた方(本人の同意が必要)に頸がん検診と併せて行われます。ただし、体がん検診未実施の市区町村もあります。
    子宮がん検診は、各市区町村によって対象者や検診間隔が異なります。詳しくは各自治体にお問い合わせ下さい。
  • 子宮がん検診を受ける前に注意することはある?
  • 正しい検査結果を得るためにも、生理中は避けた方がよいでしょう。また、腟内洗浄は細胞が洗い流されることがありますので、避けてください。服装としては、内診台にあがるときに下着をとることを考えて、パンツやタイトスカートより、ゆったりしたフレアースカートがおすすめです。検診前、日常生活で特に注意することはありません。

さて、ハナ子さん母娘は頸がん検診を受けることになりました。
……ハナ子さんは、少しドキドキしています。

  • 子宮がん検診の検査方法を教えて。
  • まず、 問診票に自覚症状や月経周期などの情報を記入していただきます。これは検査をするうえで大変参考となりますので、くわしく書いてください。 診察台に上がって検査を始めます。緊張するかもしれませんが、力をいれずに気持ちを楽にしてください。 クスコという器具を腟に挿入し、綿棒、サイトピック、サイトブラシ等の用具で腟部と頸管から細胞を採取します(図2)。子宮体部の場合は、エンドサイト、ウテロブラシ、エンドサーチ等の器具を用いて体部の細胞を採取します(図3)。採取した細胞はガラスに塗られ、検査室に送られます。また触診で子宮の大きさや形、卵巣の状態も調べます。医療機関によっては、コルポスコープという腟拡大鏡で子宮の入り口の状態を観察するコルポ診も行ないます。 これらの検査を行なって子宮がん検診は終了となります。

図2図3

  • 採った細胞は、どのように検査をするの?
  • スライドガラスに塗った細胞は検査室で染色をして、異常な細胞があるかどうかを細胞検査士が顕微鏡でチェックします。異常な細胞があった場合には、どの程度の病変が考えられるかを細胞診専門医が診断します。これを細胞診といいます。
    頸がんのほとんどは、「異形成」という前がん病変から「頸がん」へと進むといわれています。しかし、この「異形成」がすべて「がん」になるわけではありません。異形成がみられた場合に、定期的に細胞診をして様子をみていくか、治療をするかは医師の判断となります。このように細胞診は子宮のがんだけではなく、前がん病変から捉えることができる検査法です。

……ハナ子さん母娘の検査は無事終了しました。
そして、2週間後、検査の結果が報告されてきました。

子宮頸がんの進行

  • 「クラスⅠです。異常はありませんでした。」という結果でした。ところで、このクラスⅠって何ですか?
  • 細胞の判定は、スライドガラスに塗られた細胞にみられる変化によって、分類しています。わが国では「クラス分類」や「陰性・疑陽性・陽性分類」が一般に用いられています。
    本会では下記のように判定しています。

*頸がん検診の細胞判定*

<クラスⅠ> 炎症などの影響をうけて少し変化した細胞があるが、良性である
<クラスⅡ> 炎症などの影響をうけて少し変化した細胞があるが、良性である
<クラスⅢa> 軽度異形成が考えられ、悪性の可能性は低い
<クラスⅢb> 高度異形成が考えられ、場合によっては悪性の可能性もある
<クラスⅣ> 早期のがんが考えられる
<クラスⅤ> 進行がんの存在が考えられる

*体がん検診の細胞判定*

<陰性> 正常
<疑陽性> 正常より変化した細胞や、がんの存在を疑う細胞の出現
<陽性> がんの存在が考えられる

クラスⅠ・Ⅱや陰性の場合は定期検診の受診が、クラスⅢa・疑陽性以上の場合は細胞診の再検査あるいは精密検査が指示されます。

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  • 私の友達が「精密検査」といわれたようなんだけど?
  • 細胞診クラス分類でⅢaまたは疑陽性以上の判定だった場合は「細胞診再検査」または「精密検査」が行われます。精密検査を行なえる医療機関での検査、または本会内に設置されている「東母精密検診センター」での検査等、いくつか選択肢がありますので医師と相談して決めてください。精密検査の結果に応じて、細胞診で経過をみていくか、治療をするかを決めることになります。
  • 精密検査ってどういうことをするの?
  • ここでは本会内にある東母精密検診センターでの方法についてお答えします。
    精密検査対象となった方についてはもう一度細胞診を行い、そのあと、コルポスコープという腟拡大鏡で子宮の入り口の状態を調べます。最初の細胞診で頸部に異常細胞がみられた場合は、腟拡大鏡で気になる病変部分を鉗子でつまみ採ります。また、体部に異常細胞がみられた場合は、キューレットで組織を採取します。組織検査の後、少量の出血がありますが、通常は2〜3日で止まります。
    検査結果は1週間後、医師から直接聞いていただきます。そして、今後どのように経過をみていくかといった説明、あるいは治療が必要な場合には、最初に受診した医療機関の医師または東母精密検診センターの担当医から治療病院の紹介を受けることになります。
  • 精密検査のあとに注意することはありますか?
  • 検査をした当日はもちろんのこと、出血のある間はお風呂を控えてシャワーにしてください。細菌が入りやすい状態ですので、温泉やプールに行くことも避けてください。
    また性生活や過度のアルコールも控えてください。
  • 検診は一度受ければ大丈夫かしら?
  • 初めて子宮がん検診を受診した方に異形成やがんが発見される場合が多いのですが、中には複数回受診された方から発見される場合もあります。定期的に受診することが、がんを早期に発見するポイントといえます。

フジ子さん、ハナ子さん

*ハナ子さんの質問箱*
  • 自己採取法があると聞いたのですが?
  • 医師が採取する場合は、腟部のみでなく頸部の細胞も採取できます。しかし、ご自分で細胞を的確に採取することは難しく、がんを見逃す可能性がありますので、自己採取法はおすすめできません。
  • 検査をする時に痛みは伴うの?
  • 頸がん検診の場合、細胞を採取する腟部、頸管には神経が通っていないので痛みはほとんどないといわれています。しかし、体がん検診の場合は(個人差がありますが)未出産の方や閉経して長い時間経過した方で、体部の入り口が狭くなっている場合などには痛みを伴うことがあるようです。
  • 「がん」に特有の症状はあるの?
  • 頸がんの初期は自覚症状がないことが多く、検診を受けてはじめて発見されるケースがほとんどです。ですから、症状がなくても検診を受けることが大切ですが、不正出血がある、おりものに異変があるなど、いつもと違った様子があったら、すぐに受診しましょう。
ハナ子さん
  • 「がん」だったらどうしよう……
  • 受診した医療機関の医師の指示にしたがって、婦人科の専門病院で治療することになります。早期の段階でみつかったのであれば、ほぼ100%の治癒が期待できますし、妊娠や出産も可能です。この点からも、がん検診が重要であることがおわかりいただけると思います。
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