新生児・乳児の健診(一般の方向け)

新生児マススクリーニングとは

新生児マススクリーニングは、赤ちゃんの先天性代謝異常等をみつけるための検査です。
本会は東京都産婦人科医会と専門医の協力を得て、全国に先がけて1974年から検査を開始しました。その後、先天性代謝異常5疾患と先天性甲状腺機能低下症、先天性副腎過形成症のマススクリーニングが公費で行われるようになりました。
近年、新しい検査法であるタンデムマス法が開発され、検査できる疾患が大幅に増えました。その結果、2012年度からは19種類の疾患を検査しています。
本会では37年間でおよそ365万人のスクリーニングを実施し、病気が発見された子供たちは、適切な治療を受けて元気に育っています。

イメージ

先天性代謝異常等とは どんな病気なのでしょうか

先天性代謝異常と先天性甲状腺機能低下症および先天性副腎過形成症をあわせて、先天性代謝異常等とよびます。それぞれの疾患はどのような病気なのでしょうか。

先天性代謝異常は生まれつき特定の酵素に異常があって起こる病気です。例えば、フェニルケトン尿症は特定のアミノ酸が体の中で正常に代謝されずに蓄積してしまうため、発育や知能の障害が現れます。
しかし、新生児期に発見し治療用のミルクなどの食事療法を続ければ健康な生活を送ることができます。

先天性甲状腺機能低下症では、神経の発達や新陳代謝をつかさどる甲状腺ホルモンが正常に分泌されないため心身の発育不良を起こします。早期にホルモン補充などの適切な治療を開始すれば正常に発育します。

先天性副腎過形成症は副腎からのホルモンが不足して体のなかのカリウムやナトリウムなどのバランスが崩れ、死にいたることもある病気です。早期に発見することで必要なホルモンを補うなどの治療で発症を抑えることができます。

イメージ

新生児マススクリーニング検査はどのように行われるのでしょうか

病院では、生まれた赤ちゃんが日齢4日から6日になると、踵からほんの少しの血液をろ紙にとります。
このろ紙血液は本会に送られて、先天性代謝異常等がないかどうか検査をします。検査結果は病院から保護者に報告されます。

検査で陽性を示した赤ちゃんは、専門医の診察を受けます。必要に応じた治療や生活の指導により、障害の発生を防ぐことができるのです。
この検査に要する費用のうち、検査料金は東京都が負担しています。

イメージ

新生児マススクリーニング検査の実績

本会の1974年から2013年末までの新生児マススクリーニング検査で見つかった疾患をまとめました。
表に網掛けで示した疾患は2012年度から導入された13の病気です。これらの病気は新しい検査法であるタンデムマス法が導入されて追加されたものです。

新生児マススクリーニング対象疾患の発見数と発見率(1974~2015年度)

分類 疾患名 発見数 発見率







アミノ酸代謝異常症 フェニルケトン尿症 71 1/54443
メープルシロップ尿症 8 1/483178
ホモシスチン尿症 3 1/1288474
シトルリン血症1型 0
アルギニノコハク酸尿症 0
有機酸代謝異常症 メチルマロン酸血症 1 1/405307
プロピオン酸血症 9 1/45034
イソ吉草酸血症 0
メチルクロトニルグリシン血症 3 1/135102
ヒドロキシメチルグルタル酸血症 0
複合カルボキシラーゼ欠損症 0
グルタル酸血症1型 1 1/405307
脂肪酸代謝異常症 中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症 2 1/202654
極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症 2 1/202654
三頭酵素欠損症 1 1/405307
カルチニンパルミトイルトランスフェラーゼ-1欠損症 0
糖質代謝異常症 ガラクトース血症 60 1/55851
先天性甲状腺機能低下症 1073 1/3320
先天性副腎過形成症 136 1/20129

タンデムマス法とはどんな方法ですか

タンデムマスとはタンデム型質量分析計の略称です。
この機器を用いて赤ちゃんの微量の血液からアミノ酸などの物質を検査するのです。
タンデムマス法は新しい分析方法として1990年代に開発され、2000年代には世界的に普及し始めました。本邦でも2004年にこの方法を新生児マススクリーニングに導入すべきかどうかを検討するための研究班が組織され、本会も参加して検討を重ね、導入への準備を進めてきました。そして、2010年度末の厚生労働省の通知を受けて東京都では2012年度から正式な検査方法となりました。

イメージ

タンデムマス法用いるとどんな病気が見つかるのですが?

タンデムマス法により、従来のアミノ酸代謝異常症3疾患に加え、新たにアミノ酸代謝異常症2疾患、有機酸代謝異常症7疾患、脂肪酸代謝異常症4疾患、合わせて16の疾患を見つけることができます。
1.アミノ酸代謝異常症:食品中のたんぱく質は消化されてアミノ酸となり吸収され体内でさらに分解されます。この最初の分解過程に障害があると、特定のアミノ酸が蓄積したり有害なアンモニアが増加したりします。
2.有機酸代謝異常症:食品中のたんぱく質が消化吸収されたアミノ酸は最初の分解を受けると有機酸になります。この有機酸の分解過程に障害があると、特定の有機酸が蓄積して血液が酸性に傾いたり有害なアンモニアが増加したりします。
3.脂肪酸代謝異常症:食品中の脂肪からエネルギーを作りだす過程に障害があるため、空腹時や運動時にエネルギー不足になってしまいます。

情報コーナー、リンク

新生児マススクリーニング検査について さらに詳しくお知りになりたい方は・・・

患者さんやご家族の方々、専門医の活動を紹介するHPもあります

お問い合わせ
03-3269-1134(地域保健部)